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2025年11月14日

予実管理とは?目的・分析・手順を基本から実践まで紹介

予実管理とは

計画・実績の管理が適切に実践できていれば、効果的な意思決定ができ、事業の目標達成に大きく近づくことができます。

企業が掲げる目標と実際の成果を比較し、迅速かつ的確に対応策を講じることは、持続的な成長を支える要です。

そのための手法が「予実管理」です。

本記事では、予実管理の目的・分析手法・実践的な手順を体系的に解説します。

こちらの記事は次のような方におすすめです。

  • 「予実管理」の基本的な概念を知りたい
  • 「予実管理」の効果的な方法を学びたい

予実管理の基本

予実管理とは何か

予実管理とは、「予算実績管理」の略称です。

企業が設定した予算と実際の業績(実績)を比較して、実態を分析します。

これを通じて、企業は経営目標の達成に向けて活動ができているかを判断することができます。

上記の観点から、経営を行うためにとても重要な管理会計手法です。

具体的には、売上予算、利益予算、原価予算、経費予算などの各種予算に対して、実際の業績がどの程度達成されているかを定期的に確認します。

差異が発生すれば、その原因を分析して対策を講じる一連のプロセスを指します。

予算管理との違い

予算管理は主に予算の策定と実行に重点を置きます。

例えば、年間で活用する広告宣伝費を2,000万円と設定とします。

その際に、「適切にそのコストが消化されているか」進捗を観測することは予算管理に該当します。

一方で、予実管理はそれに加えて実績との比較分析や改善策の立案・実行までを含む包括的な管理手法です。

予算管理が計画段階に焦点を当てるのに対し、予実管理は計画と実行、そして改善のサイクルを回す点が大きな違いと言えます。

予実管理の目的と重要性

予実管理の主な目的は、経営目標の達成に向けた進捗を可視化し、問題点を早期に発見・対処することです。

これにより、以下のような重要な効果が得られます。

  • 目標達成の進捗を明確に把握できる
  • 問題点や課題を早期に特定し、迅速な対応が可能になる
  • 数字に基づいた合理的な経営判断ができる
  • 経営の安定性と予測可能性が向上する

予実管理が企業にもたらす効果

経営判断の迅速化と精度向上

予実管理を通じて、経営者は現状を正確に把握し、データに基づいた迅速な意思決定を行うことができます。予算と実績の差異分析により、問題の根本原因を特定し、より効果的な対策を講じることが可能になります。

リスク管理の強化

予実管理は、財務リスクの早期発見と対応に役立ちます。予算からの乖離を迅速に把握することで、潜在的な問題を事前に察知し、適切な対策を講じることができます。

組織全体の目標意識の向上

予実管理を通じて、組織全体で目標と現状のギャップを共有することで、従業員の目標達成に向けた意識が高まります。各部門や個人レベルでの責任が明確になり、全社一丸となって目標達成に取り組む組織文化の醸成につながります。

予実管理の具体的な進め方

予算目標の設定

予算策定のプロセス

まず、事業計画に基づいて具体的な数値目標(予算)を設定します。

全社レベルの目標を部門ごと、さらには個人レベルまでブレイクダウンし、それぞれの責任範囲を明確にします。

全社レベルの目標を設定する際は、まず以下の収支項目から決定していくことが一般的です。

  • 売上目標
  • 利益目標
  • 経費目標
  • 原価目標

また、上記のようなPL(損益計算書)予算に加えてキャッシュフロー予測もシミュレーションして、現預金や残高の予測まで計画を立てる場合もあります。

上記のように予算を設定する際は、財務会計や、管理会計の考え方を活用します。

▼管理会計と財務会計について詳しくはこちらの記事でも解説しています。

KPIとスケジュールの決定

予算目標を達成するための具体的なKPI(重要業績評価指標)とスケジュールを決定します。

例えば、営業部門であれば受注件数や訪問件数などのKPIを設定し、月次や四半期ごとの達成目標を明確にします。

営業部門の目標は、定量的に計画を立てやすいです。
一方で、バックオフィス部門のKPIに苦労される会社様が多いと伺います。

ナレッジラボでは、様々な企業様の管理会計をご支援してきた実績があります。

お困りの際は、ご面談からでも承ります。お気軽にご相談ください。

予算と実績の比較分析

経営状況を把握する3つのレポート

予実管理を具体的に進める上で、大きく3つのレポートの型があります。

  • 業績分析表
  • 業績見通し表
  • CF(キャッシュフロー)総括表

予算と実績の比較という観点では、上記の中でも業績分析表を作成して定期的に差異の分析をします。一般的には月次で行います。

差異が生じている項目について、その原因を詳細に調査し、問題点を明確にします。

売上額だけでなく、販売費および一般管理費(販管費)を差し引いた「営業利益」に着目して分析を行います

差異を把握するだけでなく、先月までの実績値と当月以降の計画を繋げて、当期の見通しを立てることで、軌道修正のための気づきを得ることもできます。

最終的にキャッシュフローに繋げて考えることで、経営状況を網羅的に分析することができるようになります。

改善策の立案と実行

分析結果に基づいて、改善策を立案し実行します。

予算未達の場合は対策を講じ、好調な場合はさらなる伸長策を検討します。

PDCAサイクルを回し、継続的な改善を図ります。

定量的な情報に基づき、売れていない商品・サービスがあれば、その理由を探ります。

売れている商品・サービスは、更に売れる理由を考えます。

その他にも、広告費を増やして集客を実施したり、業務を効率化させるためのITツールに投資するような意思決定も期中の改善策として考えられます。

予実管理における注意点

過度な数字へのこだわりを避ける

細かな数字の差異にこだわりすぎると、全体像や本質を見失う可能性があります。

重要度の高い項目から優先的に分析し、大局的な視点を保つことが重要です。

柔軟に対応する

予算は固定的なものではなく、環境変化に応じて柔軟に見直す姿勢が必要です。

予算達成にこだわるあまり、非合理的な判断や行動を取らないよう注意が必要です。

従業員のモチベーション維持

予実管理を単なる数字の管理ではなく、従業員の成長や組織の発展につなげる視点が重要です。

過度なプレッシャーを与えず、達成感や成長を実感できる仕組みづくりが求められます。

作業に時間をかけず分析に時間をかける

予実管理を効果的に行うには、データの収集や集計に時間をかけず、分析に重点を置くことが重要です。

特に、Excelなどのツールを用いたデータのメンテナンスや実績の集計は、可能な限り自動化や効率化を図るべきです。

例えば、Excelの関数やマクロを活用して、データの入力や集計を自動化することで、手作業によるミスを減らし、作業時間を大幅に短縮できます。

分析に時間をかけることで、単なる数値の確認にとどまらず、差異の原因を深掘りし、改善策を立案するための洞察を得ることができます。

これにより、より戦略的な意思決定が可能となり、企業の目標達成に向けた具体的なアクションプランを策定することができます。

この記事を読んだ方におすすめ

よくある課題

予実管理体制を最短距離で構築したいなら

予実管理は、単なる数字の確認ではなく、目標達成に向けたアクションを導くための重要な経営手法です。
しかし、手作業での集計や複雑なExcel管理では、実績集計に時間がかかり過ぎてしまい、本来注力すべき分析業務や意思決定に十分な時間を割けず、本末転倒になってしまうことも少なくありません。

そのような非効率な業務を解消し、精度の高い予実管理体制を短期間で構築したい方には、弊社の提供する予実管理システム「Manageboard(マネージボード)」がおすすめです。

予実管理システム「Manageboard」の強み

各種会計ソフトとのAPI連携で実績集計を効率化

Manageboardは、様々な会計システムとシームレスに連携し、データの一元管理を実現します。これにより、手作業によるデータ入力ミスを削減し、より正確な予実管理を実現できます。

表計算ソフトで頻発するメンテナンスの手間を大幅削減

表計算ソフトを使用した予実管理では、データの更新や集計に多くの時間と労力を要します。Manageboardを利用することで、これらの業務を自動化・標準化し、メンテナンスにかかる時間を大幅に削減できます。

シンプルで見やすいレポート

Manageboardは、複雑な数字の羅列ではなく、直感的に理解しやすいビジュアルレポートを提供しています。これにより、経営者や管理者は重要なポイントを素早く把握し、迅速な意思決定を行うことができます。

Manageboardの具体的な機能や導入事例、料金プランについてはこちらの資料で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

経営の意思決定につながる予実管理を進めましょう

大喜多プロフィール

予実管理は、単なる数字の管理ではなく、経営の質を高めるための重要なツールです。

適切な予実管理を行うことで、経営判断の精度向上、リスク管理の強化、組織全体の目標意識の向上など、多くの効果が期待できます。

mbkun 1

Manageboardのような効率的なツールを活用し、過度な数字へのこだわりを避けつつ、柔軟な対応と従業員のモチベーション維持に留意しながら、効果的な予実管理を実践しましょう。

これにより、企業の持続的な成長と競争力の強化につながる、質の高い経営意思決定が可能となります。

▼予実管理システム「Manageboard」について詳しくはこちら

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この記事の著者

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OKITA

予実管理システムのManageboardを提供している株式会社ナレッジラボに2024年3月に入社。 成長企業を支援するための社内ナレッジを発信しています。
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