2023.07.14
Manageboard2.0マネジメントプランに、本社共通費を簡単に事業部門に配賦できる「配賦カスタマイズ機能」がリリースされました。
部門別会計を採用している企業の多くは、特定の事業部門に割り当てられないコストを本社部門に負担させています。
本社部門が負担するコスト、すなわち本社共通費は、管理会計上、一定の基準に則って事業部門に配賦されますが、多くの企業がエクセルなどの表計算ソフトで複雑な配賦計算を行うことに大きな課題を抱えています。
シンプルな配賦計算であっても、部門や勘定科目マスタの更新に応じて計算ロジックの変更が求められ、特に以下のような配賦計算を行っている企業は、表計算ソフトで配賦計算を行うことに膨大な時間を投下しています。
・本社部門の他、事業共通部門が存在し、多段階で配賦している
・配賦元である本社部門が複数存在する
・勘定科目単位で異なる配賦基準(ドライバ)を使用している
・人員数などの非財務項目を配賦基準(ドライバ)として使用している
・複数の配賦パターンが存在し、パターンごとに部門別損益をシミュレーションしている
・管理会計用の段階利益および勘定科目を設定している
本社部門で発生するコストは、事業部門がサービス提供をするために不可欠なコストであり、本社共通費は全社単位で回収する必要がありますが、共通費配賦を行わないと、事業部門の意識が本社共通費に向かず、事業部門の利益で本社共通費を回収できない可能性が生じてしまいます。
経営管理上、本社共通費を事業部門に配賦することが望ましいですが、煩雑な計算の実行やそのメンテナンスが難しいため、多くの企業が配賦を行わない、あるいは実態にそぐわない、非常に簡便な配賦計算を行うにとどまっています。
そこで、ナレッジラボはManageboard2.0のマネジメントプランに配賦カスタマイズ機能を追加開発・リリースしました。
本機能のリリースにより、複雑な配賦計算を最小限の設定でレポートに反映することができ、より精緻な部門別損益管理を実行できるようになります。
企業によって配賦計算のルールは様々であり、企業規模が大きくなるにつれ、その計算ルールは複雑化します。本機能は、できるだけ多くの企業の配賦ルールを再現できるよう、配賦計算に必要な要素を分解し、それぞれのパーツを作成・組み合わせることで、企業オリジナルの配賦ルールを再現できる仕様となっています。
さらに、複雑になりがちな配賦計算を最小限のステップで実現できるよう、UI(ユーザーインターフェース)も工夫しています。
機能の概要
複数の配賦バージョンの作成およびレポート上での切替
配賦の計算パターンをバージョン管理することができ、レポート上でバージョンを切り替えながら複数パターンのシミュレーションを行うことが可能です。
配賦バージョンの切替可否は権限で制御できるため、事業部門のメンバーに対して、意図しない数字の見え方を防止することも可能です。
複数の配賦基準(ドライバ)の作成
配賦計算の基準となる配賦ドライバを複数作成することが可能です。
配賦ドライバは「財務基準」「非財務基準」を選択することができ、「財務基準」を選択した場合、売上高や販売費及び一般管理費などの財務数値を基準に配賦ドライバが作成され、「非財務基準」を選択した場合、人員数や工数などの非財務数値を基準に配賦ドライバが作成されます。
作成した配賦ドライバを勘定科目単位で設定することが可能なため、たとえば「給与手当は人員数基準」、「交際費は売上高基準」のように、勘定科目と配賦ドライバを自由に組み合わせることができます。
多段階配賦計算にも対応
本社部門の他、事業共通部門が存在する企業向けに、多段階の配賦計算にも対応しています。
段階利益や勘定科目を管理会計用にカスタマイズできるため、たとえば営業利益の直下に、「全社共通費配賦後営業利益」「事業部共通費配賦後営業利益」などの段階利益を表示することが可能です。
本機能により、配賦計算にかかる工数は大幅に削減されます。
また、部門マスタの変更や勘定科目マスタの変更にも簡単に対応できることから、メンテナンスコストも最小限に抑えることが可能です。
配賦計算に課題を抱えていらっしゃる企業様は是非お問い合わせください。
※本機能はマネジメントプランのみでご利用いただけます。